ファッションには小さなディテールが大きな影響を与えるもの。その一つが「肩パッド」です。最近では自然体のスタイルが人気となり、「この服、肩パッドがないほうがいいかも?」と考える方も増えているようです。
そこで今回は、肩パッドを外す選択について、メリット・デメリットから実践方法まで詳しくご紹介します。
肩パッドを外したらどう変わる?見た目と印象の大転換
ジャケットやブラウスから肩パッドを取り除くと、見た目や雰囲気はどのように変化するのでしょうか?
まず最も顕著な変化は、シルエットの柔らかさです。
角ばった輪郭から自然な曲線へと変わり、全体的に優しい印象になります。
ファッション心理学の研究によると、服のラインは他者からの印象形成に大きく影響するそうです。
肩のシャープさは「プロフェッショナル」「頼れる」という印象を与え、柔らかい肩は「親しみやすさ」「アプローチしやすさ」を感じさせるとか。
例えば、営業職の方なら商談の内容によって使い分けるという手もあります。
大きな提案や契約の場では肩パッドありのスーツで信頼感を、カジュアルな打ち合わせでは肩パッドなしのジャケットで距離感を縮めるといった具合に。
また、身長やプロポーションへの影響も見逃せません。
肩パッドは縦のラインを強調する効果があるため、取り除くことで全体のバランスが変わります。
私の友人は165cmの平均的な身長ですが、肩パッドを外したコートを着たとき、「なんだか小柄に見える」という感想をもらったそうです。
肩のラインが下がることで、実際の身長よりもコンパクトな印象を与えることがあるんですね。
体型別に見ると、こんな特徴があります。
• 細身の方:肩幅が狭く見えることがあるため、上半身がより華奢に
• がっちりした方:筋肉質な肩が目立ちにくくなり、ナチュラルな印象に
• 猫背気味の方:姿勢の丸みがより強調されることがあるので注意が必要
ファッションアドバイザーの田中さん(仮名)によれば、「肩パッドを外す前に、鏡の前で洋服をはだけて肩のラインを確認してみるとよい」とのこと。
自分の体のラインと服のシルエットの調和を事前にイメージすることが大切なようです。
肩パッドレスの着心地とは?快適さと動きやすさを徹底検証
肩パッドを外すと、見た目だけでなく体感も大きく変わります。
実際に着用したときの違いについて、詳しく見ていきましょう。
最大の変化は「軽さ」と「自由度」です。
肩パッドという物理的な重さがなくなるだけでなく、肩や腕の動きに対する制約が減ることで、全体的に軽快な着心地になります。
私は先日、長年愛用していたネイビーのテーラードジャケットから肩パッドを外してみました。
すると、車の運転中や電車のつり革につかまる際の動きやすさが格段に向上!
特に長時間のデスクワークでは、肩こりが軽減されたように感じます。
一方で、こんなデメリットも出てきました。
• 生地が薄い場合、形が崩れやすくなる
• ハンガーにかけたときの型崩れが起きやすい
• 体の線が出やすくなるため、インナーの選択が重要になる
とりわけ気をつけたいのが、洋服の「保管方法」です。
肩パッドがない状態では、良質なハンガーを使うか、たたんで収納するかを慎重に選びましょう。
アパレルデザイナーの佐藤さん(仮名)によると、「肩パッドは単なるデザイン要素ではなく、衣服の構造を支える役割も担っている」とのこと。
そのため、外した後のケアや着こなしには一工夫必要になるようです。
着心地の変化を確認するためのチェックポイント!
• 腕を前に伸ばしたとき、背中がつっぱらないか
• 荷物を持った際に肩から服が滑り落ちないか
• 座ったときに肩まわりがよれないか
• 長時間着用して疲れを感じないか
これらを試着時にチェックすることで、肩パッドを外した後の着心地を事前に予測できます。
特に仕事用の服や頻繁に着るアイテムは、一日を通して快適かどうかの検証が大切です。
DIYか専門店か?肩パッドの外し方と選択のポイント
肩パッドを外す方法には、自分で行う「DIY」と専門店に依頼する方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを詳しく比較してみましょう。
【自分で肩パッドを外す場合】
費用をかけずに済む点が最大のメリットですが、技術と道具が必要です。
基本的な手順を紹介します。
1. 明るい場所で服を裏返しにする
(正確に作業するには十分な光が必要です)
2. 裏地の中から肩パッドの位置を確認
(多くの場合、腕の付け根付近に配置されています)
3. 裏地の脇の縫い目あたりから小さく開口部を作る
(肩の部分から開けると修復が難しくなります)
4. 指を入れて肩パッドがどう固定されているか確認
(縫い付けタイプと接着タイプがあります)
5. 縫い目切りやはさみで丁寧に固定糸を切る
(生地を傷つけないよう細心の注意を)
6. 肩パッドをそっと取り出す
(無理に引っ張ると服が変形する恐れあり)
7. 開けた部分を手縫いで閉じる
(目立たない細かい針目がおすすめ)
私は学生時代、古着屋で見つけた80年代風のジャケットを自分で改造してみました。
最初は上手くいったと思ったのですが、着てみると片方の肩だけ妙に張り出していて...よく見ると、片側の肩パッドを完全に取り除けていなかったのです!
結局、不自然な仕上がりになってしまい、大切なジャケットを台無しにした苦い経験があります。
【DIYで失敗しないためのヒント】
• 高価な服や思い入れのある服では避ける
• 似たような安い服で練習してから挑戦する
• 裏地が複雑な構造の服は難易度が高い
• 接着タイプの肩パッドは素人には困難なことも
【専門店に依頼する場合】
洋服のお直し専門店やテーラーに依頼すれば、プロの技術で美しく仕上がります。
• 費用相場:1,800円〜4,000円
(服の素材や構造によって変動します)
• 所要日数:3日〜1週間程度
(繁忙期は長くなることも)
• 主なメリット:
- 裏地の開閉が美しく仕上がる
- 肩パッド除去後のシルエット調整も可能
- 万が一の失敗も店舗保証がある場合が多い
• 注意点:
- 事前に肩パッド除去の実績があるか確認する
- 仕上がりイメージを具体的に伝える
- 店舗によって技術に差があるため口コミも参考に
実は、専門店での肩パッド除去には「部分的に薄くする」という選択肢もあります。
完全に取り除くのではなく、厚みを調整して自然なシルエットに仕上げる方法で、特にスーツなど構造が複雑な服ではこの方法がおすすめです。
私の場合、大切なセレモニースーツは迷わず専門店に持ち込みました。
肩パッドを薄くしてもらったところ、フォーマル感は残しつつも自然な印象になり、長時間の着用も快適になったのでとても満足しています。
2025年流・肩パッドレスファッションの取り入れ方と着こなしテクニック
時代とともにファッショントレンドは変化し、肩のシルエットも例外ではありません。
2025年の今、肩パッドレススタイルをどう楽しむかについて探ってみましょう。
現在のファッションシーンでは、ジェンダーレスで自然体なシルエットが主流です。
1980年代のパワーショルダーや2010年代前半の構築的なデザインとは対照的に、今は「あえて作り込まない」リラックス感が支持されています。
ファッション雑誌編集者の山下さん(仮名)によれば、
「ポストパンデミック時代のファッションは、快適さと自分らしさを重視する傾向にある」とのこと。
肩パッドレスもその流れを反映した選択肢の一つと言えるでしょう。
今季注目のスタイリングテクニックをご紹介します。
• レイヤードでバランスを取る
肩パッドがない分、インナーに立体感のあるアイテムを重ねることで
全体のバランスを整えましょう。特にネックラインに変化をつけると効果的です。
• アクセサリーで視線を誘導
大ぶりのイヤリングやネックレスを取り入れると、肩のラインが
自然でも印象的な着こなしになります。
• 素材の質感で遊ぶ
肩パッドがなくても、ハリのある生地や光沢感のある素材を選べば
存在感のあるスタイリングが可能です。
• カラーコーディネートの工夫
上下でトーンを合わせたワントーンコーデは、肩パッドなしでも
洗練された印象を与えます。
最近私が実践している「肩パッドレス×ハイブランド風ミックス」というテクニックも
おすすめです。これは、肩パッドを外した古着のジャケットに、きちんと感のあるパンツやバッグを合わせるスタイリング。
カジュアルな要素とフォーマルな要素を組み合わせることで、計算されたこなれ感が生まれるんです。先日このスタイルで出かけたら、「どこのブランド?」と3回も聞かれました!
体型別の肩パッドレススタイリングのポイントも押さえておきましょう。
• 肩幅が狭めの方:
ボリューム感のあるトップスを選ぶと、肩パッドなしでもバランスの良いシルエットになります。襟元のデザインにこだわるのもおすすめです。
• 肩幅が広めの方:
首元が開いたデザインや、縦のラインを強調するディテールがあるとスタイルアップ効果があります。
• 身長が低めの方:
肩パッドを外したときに縮こまって見えないよう、ヒールやハイウエストのボトムスでスタイルアップするとバランスが◎。
• 身長が高めの方:
肩パッドなしでもスタイリッシュに見せるなら、同系色でまとめるか、アシンメトリーなデザインを取り入れるのが効果的です。
最新のハイブランドでも「意図的に肩パッドを使わない」デザインが増えています。
それは単なるトレンドではなく、サステナブルファッションの観点からも
余分な副資材を減らす動きとして注目されているそうです。
まとめ
自分らしいスタイルを見つけるためには、まずは手持ちの服から肩パッドを外してみるのがおすすめ。ぜひ自分の体型や好みに合わせた「肩パッドレス」の可能性を探ってみてくださいね!